(独)森林総合研究所は4月1日、林野庁の委託事業として平成25年度に実施した福島県内の試験地3町村での森林の落葉層や樹木の葉、土壌などの放射性セシウムに関する調査結果を発表した。調査は25年8月~9月に行われたもので、いずれの調査地でも森林の樹木に蓄積する放射性セシウムの割合が減少し、落葉層や土壌に蓄積する割合が増加した。また、平成23年から24年の変化に比べ、放射性セシウムの動きが収まったため、葉や枝など樹木の部位の濃度の変化は比較的小さかった。
■樹木は「おおむね減少傾向」
東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の降下を受けて、調査は、福島第一原発から26km~134kmの福島県川内村(スギ)、大玉村(スギ、アカマツ、コナラ)、只見町(スギ)と、前回から追加された川内村上川内で行われた。
葉や枝、樹皮などの放射性セシウム濃度は、スギの葉が平成24年に比べて30~72%の濃度に、アカマツが同8%に、コナラは明確な変化が見られず、枝については、平成24年の61~103%、樹皮は同様に48~116%の濃度で、全体として「おおむね低下傾向にある」としている。
落葉層は、平成24年の73~101%の濃度で、大玉村のスギ林など2カ所ではほとんど変化は見られなかった。土壌については、表層土壌(地表~深さ5cm)の濃度が最も高く、5cmより深い層は、その10分の1以下になり、下層に行くほど低下傾向が見られ、放射性セシウムは土壌表層付近に留まっていると考えられるとしている。
森林全体の放射性セシウムの蓄積量は、川内地区のスギ林で減少傾向が見られたが、それ以外では、明瞭な変化の傾向は見られなかった。ただ、いずれの調査地も樹木に蓄積する割合が減少し、土壌や落葉層へ蓄積する割合が増加した。
今回の調査について、放射性セシウムの動きが収まり、濃度変化が比較的小さかったと考えられるとしている。