肥満者への半年の減量支援効果は2年で消滅
―リバウンド予防は身体運動を高めること
:筑波大学(2014年12月4日発表)

 筑波大学は12月4日、肥満した人に対して行った半年のダイエット支援効果が2年たつと消滅してしまうことが追跡調査の結果分かったと発表した。研究グループは、減量効果の長期的維持には専門家の定期的指導が必要とみている。

 

■ダイエット追跡調査で判明

 

 この追跡調査は筑波大学の医学医療系の研究グループが肥満者の減量後の体重維持について知るため、40歳以上65歳未満の人で、肥満度を示すBMI(体格指数=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25以上40未満などの条件を満たす125人(女性92人、男性33人)を対象に行った。

 調査では、参加者を2つのグループに分け、一方のグループには減量の動機付けと減量に関する教材だけを提供。もう一方のグループには同様の教材提供に加えて専門家による集団減量指導も行い、それぞれ半年間、ダイエットに取り組んでもらった。

 半年後、指導を終えた時点で調査の結果、教材だけのグループは体重が平均で約5kg減ったのに対し、集団指導も受けたグループの平均減量は約8kgで、3kgも大きくダイエットしていた。教材による指導だけより、専門家による集団指導が効果的な減量効果を得たことになる。

 だが、その後続けて2年間にわたって追跡調査したところ、両グループの平均体重差は減量開始1年後で1.5kgと半減、同2年目にはグループによる差は、なくなってしまった。ただ、両グループとも減量開始時と比べれば3.3kg少ない体重を維持していたので、減量効果が全くなくなったのではない。

 追跡調査終了の時、体重減少率の大きさで4群に分け、運動量の変化などを調査したところ、最も体重減少率が大きい群は、やや強度の高い歩行活動時間が減量開始時より21分間、歩数にして約2607歩増えていた。これにより、研究グループは身体活動量を高めることが、肥満のリバウンド予防につながるとしている。

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