物質・材料研究機構の紹介
(2017年4月01日)
物質・材料研究機構(NIMS)は、国内唯一の物質・材料科学に特化した研究機関です。
2001年4月に2つの国立研究所、金属材料技術研究所と無機材質研究所が統合され独立行政法人として発足し、2015年4月に国立研究開発法人に移行しました。
2001年4月に2つの国立研究所、金属材料技術研究所と無機材質研究所が統合され独立行政法人として発足し、2015年4月に国立研究開発法人に移行しました。
新物質・新材料の研究開発を通じて、エネルギーや環境、医療、インフラなどの問題解決を目指すとともに、技術水準の向上に向け、設備や情報を国内外の研究機関や企業に共用することにも力を注いでいます。
これまで、実用化に繋がった数多くの成果を生み出してきました。例えばLED照明には欠かせない蛍光体です。青い色の光を赤や緑に変えることが可能で、青色LEDだけで白色のLEDを作り出せることから、世界中で照明や液晶テレビのバックライトとして使われています。他にも、耐熱温度が世界最高の合金を開発しました。旅客機のジェットエンジンに使われており、燃料を高い温度で燃やせるために燃費がよくなり、1機あたり年間1億円も節約しています。さらに、日本中でインフラの老朽化が問題になる中、100年以上劣化しない鉄筋コンクリートを開発したり、貼って治す斬新なガンの治療材料を研究したりと、幅広い分野で役に立つ材料を生み出し続けています。
NIMSは2016年10月に、世界トップレベルの研究成果を生みだすとともに、日本のイノベーションシステムを強力に牽引する中核機関である「特定国立研究開発法人」に移行しました。NIMSはその使命を果たすために、以下の3つの取組を行っていきます。
①産業界とのオープンイノベーションを推進すべく、各民間企業の持つ「基礎研究所」の一部機能をNIMSに誘致し、NIMSを中核に産業界と大学等を糾合したドリームチームによるオープンプラットフォームを形成します。
②世界最大級の物質・材料データプラットフォームや世界最先端の計測機器など世界最高水準の研究基盤を構築するとともに、国内外から将来有望な若手研究者を招聘し、育成するプログラムを通じて、世界中の連携機関から「ヒト」・「モノ」・「資金」がNIMSに集まるグルーバルな研究拠点を構築します。
③本格的な産学官の連携体制を構築するために、「組織」対「組織」のクロスアポイントメントを進めるとともに、地域に存在する優秀な研究人材との共同研究を積極的に進め、ローカルイノベーション推進のためのハブとなり、地域創生に貢献します。
このような取組を通じて、NIMSが産業界と大学との橋渡しのみならず、世界との、また地方とのハブ機能を果たすことにより、日本全国にわたってイノベーションが誘発され、日本の産業競争力が強化されるよう、全力で取り組んでいきます。
橋本 和仁(はしもと かずひと) 昭和30年6月23日生まれ
1980年3月 東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程修了
1980年4月 分子科学研究所技官
1984年2月 分子科学研究所助手
1985年3月 東京大学理学博士取得
1989年9月 東京大学工学部講師
1991年11月 東京大学工学部助教授
1997年6月 東京大学大学院工学系研究科教授
1997年7月 東京大学先端科学技術研究センター教授(配置換)
2004年4月 東京大学大学院工学系研究科教授(配置換)
先端科学技術研究センター教授(併任)
2004年4月 東京大学先端科学技術研究センター所長
2013年1月 産業競争力会議議員
2013年3月 総合科学技術会議議員(非常勤)
2016年1月 国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長