社会インフラを支える土木研究所
(2017年6月01日)
国立研究開発法人土木研究所は、土木技術の向上を図りもって良質な社会資本の効率的な整備等に資することを目的に、土木技術に関する調査、試験、研究及び開発並びに指導及び成果の普及等を行っています。大正10年に設置された内務省土木局道路材料試験所及び昭和12年に設置された内務省北海道庁土木部試験室を母体としており、この間台風や地震など多くの災害が発生しやすい我が国において安全の確保だけでなく経済発展にも資する多くの土木構造物の設計・施工・維持管理の技術的な側面を支えてきました。
現在は、
1.安全・安心な社会の実現
2.社会資本の戦略的な維持管理・更新
3.持続可能で活力ある社会の実現
に貢献するための研究開発に重点的・集中的に取り組んでいるところです。
に貢献するための研究開発に重点的・集中的に取り組んでいるところです。
土木研究所は、現場の最前線での貢献もモットーとしており、災害時には、国土交通省や地方自治体からの要請を受け、直ちに現地に職員を派遣し、土木構造物等の被害の実態調査とともに、2次災害防止や被災した施設の復旧方法等に関する技術的な支援を行っています。
例えば、平成28年4月に発生した熊本県熊本地方を震源とする地震においては、4月14日のマグニチュード6.5の地震、4月16日のマグニチュード7.3の地震等により、熊本県、大分県を中心に甚大な被害を生じ、インフラ施設に関しても、河川堤防・ダム等の被害、橋梁や道路盛土・トンネル等の被害、大規模斜面崩壊や土石流等の土砂災害など、多大な被害が発生しました。土木研究所では国土交通省等からの要請を受け、国土交通省国土技術政策総合研究所等と連携し、地震発生の翌日から、現地に職員を派遣しました。派遣者数は、4月15日~6月7日までの間に延べ204人に及びました。
我が国は、自然災害の激甚化や、社会インフラの老朽化等様々な課題に直面しており、今後、社会資本整備に必要な土木技術の研究開発の重要性は、ますます高まってくるといえるでしょう。その中で、ICT技術の土木分野への応用や、外部機関と連携した土木分野における先端的材料の実用化など新技術の開発や実用化も視野に研究開発に取り組んでいく必要があります。
土木研究所は、従来から良質な社会資本の効率的な整備に貢献すべく、土木技術に関する研究開発を進めているところですが、これからも国内の社会的要請に対して、短期的・長期的双方の視点で研究開発に取り組むとともに、 土木技術の国際的な研究開発拠点として、国際貢献活動にも取り組んで参ります。
西川 和廣(にしかわ かずひろ)
昭和53. 4 建設省土木研究所採用
平成 元. 4 同 東北地方建設局酒田工事事務所長
3. 4 同 土木研究所構造橋梁部橋梁研究室長
13. 4 国土交通省国土技術政策総合研究所企画部評価研究官
15. 4 独立行政法人土木研究所企画部長
17. 6 国土交通省国土技術政策総合研究所研究総務官
21. 7 同 国土技術政策総合研究所長
24. 8 同 辞 職
24.11 一般財団法人海洋架橋・橋梁調査会審議役事務局長
25. 4 一般財団法人橋梁調査会専務理事兼事務局長
27. 7 一般財団法人土木研究センター理事長
29. 4 国立研究開発法人土木研究所理事長