君のアイデアは? かつおぶしのダンス
(2017年4月15日)
たこ焼きに、お好み焼きに、おうどんに。仕上げにぱらぱらっとふりかけると、驚くほど風味が豊かになる「かつおぶし」。仕上げだけではなく、おつゆの出汁を取ったりと、隠し味としても使われていますよね。そんなかつおぶしを温かい食べ物の上に乗せると、ゆらゆら、そわそわと踊りはじめるのを見たことはありませんか?
かつおぶしは、生のかつおの身を切り分けて水洗いし、1時間以上もの時間しっかりと湯がきます。そのあと骨や皮を除いて形を整え、薪(まき)をくべてじっくり乾燥させていきます。それを天日干しして表面にカビ菌(かつおぶしにさせるための菌)をつけ、さらに熟成させていきます。かつおぶしとして商品になるには120日以上もかかり、その時の水分量は15%以下になっているのだとか。また、菌の力を借りてより美味しくなるので、納豆やみそなどと同じ発酵食品の仲間でもあります。
さて、そのかつおぶしが踊る理由は、この作り方の中にヒントがあります。完成したかつおぶしの水分量は15%以下とのこと。普通のパンの水分量は35%程度ですから、とても水分量が低く、乾燥した食品だといえます。それが温かい食品の水蒸気を吸うことで伸び、踊っているように見えるのです。乾燥状態では縮んでいて、水分を含むと伸びるというのは、紙の性質と似ていますね。
そこで、このかつおぶしの性質を利用して、料理以外の場所で踊らせてみようと思います。必要なものは、温かい水蒸気です。試しに、手のひらをたくさんすり合わせてからかつおぶしを置いてみました。・・・が、ちっとも踊りません。手をすり合わせただけでは水蒸気が足りないようです。それでは、41度のお湯に30秒間手を入れて、素早く手を拭いた後ではどうでしょう?
この条件以外でも、どんな条件でかつおぶしを踊らせることができるか、自分で試してみましょう。新たな発見に出会えるはずです。
ねこたけ(ペンネーム)
役に立つこと、立たないこと。いろんなことがあるけれど、とにかく「知らないコト」を「わかった!」にたどり着くまであれこれ考えるのが好き。得意分野は「キッチンサイエンス」。身近な「科学」を、わかりやすくお伝えします。