[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

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わかる科学

木星の衛星エウロパに水の海!生命の可能性?

(2017年1月15日)

水蒸気の噴き出すエウロパ(想像図)

 前回は、太陽系の外に惑星や生命を探すお話でした。ところで、太陽系の中をもっとよく調べれば、地球の他にも生命がいる場所があるのではないでしょうか?
 みなさんも火星人って聞いたことがありますよね。火星人は本当にいるのでしょうか?火星には昔から生命の存在が期待されてきました。1960年代からは、探査機がいくつも送り込まれましたが、残念ながら今のところ生命は見つかっていません。でも、生命が存在する可能性は残されている、と科学者たちは考えていて、探査は今も続けられています。
 惑星の周りを回る衛星にも、生命がいる可能性があります。地球の衛星は月だけですが、もっと多くの衛星を持っている惑星もあります。例えば、木星にはこれまでに67個もの衛星が見つかっています。木星に衛星が初めて発見されたのは、1610年のことでした。ガリレオ・ガリレイが発見した4つの衛星は、ガリレオ衛星と呼ばれていて、双眼鏡や望遠鏡を使えば木星のそばで光る小さな点として見ることができます。
 最近、ガリレオ衛星の一つ、エウロパで大きな発見がありました。2016年9月に、エウロパから水蒸気が噴き出しているらしい様子がハッブル宇宙望遠鏡によってとらえられた、という発表がありました。エウロパの表面で水は200キロメートルの高さにまで噴き上がり、そのあと雨のように降り注いでいるようです。エウロパは厚い氷に覆われていますが、これまでの研究から、氷の下には液体の水でできた海があると考えられています。今回の発表は、それを裏付けるものです。
 水蒸気の噴き出しは、土星の衛星エンケラドスでも観測されていて、同じく水の海があると考えられています。エウロパやエンケラドスに広がる海の中に、はたして生命はいるのでしょうか?今後の探査が気になりますね。

 太陽系には、他にもたくさんの謎が残されています。つくばエキスポセンターでは、新しくなったプラネタリウムで新番組「わくわく惑星ツアー~太陽系最前線~」を上映しています。
 番組では、太陽系の天体をめぐりながら、それぞれどのような謎があるのかを紹介しています。みなさんも太陽系の謎をめぐる惑星ツアーに参加してみませんか?
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http://www.expocenter.or.jp/?page_id=47

 

徂徠 裕子(そらい ゆうこ)
つくばエキスポセンター 運営部 展示・催事担当
科学をネタにして楽しめることを日々探しては実践中。得意分野は天文。特に遠い宇宙の話が大好き。