季節変動を取り除いた地球大気全体の二酸化炭素平均濃度―初めて400 ppmを突破:環境省/国立環境研究所ほか
(2016年10月27日発表)
環境省、(国)国立環境研究所及び(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月27日、地球大気全体(全大気)の二酸化炭素平均濃度について、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データの平成28年5月までの暫定的な解析の結果を発表した。
平成28年2月頃に季節変動を取り除いた濃度(推定経年平均濃度)が初めて400ppmを超えたことが分かったという。
また、平成27年12月に初めて400ppmを超えた月別平均濃度の最大値は平成28年5月に過去最高値の402.3ppmを記録したことも明らかにした。こうした結果は11月7日から18日にモロッコのマラケシュで開かれる気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)等で報告する。
産業革命前は280ppm程度だった全大気の二酸化炭素濃度は現在、年間2ppmを超すスピードで増加しており、既に7年間、全大気の二酸化炭素濃度の速報を続けている「いぶき」の結果も、こうした現象が地表付近や特定地域に限らない地球規模の現象であることを示している。
JAXAなどは引き続き「いぶき」観測データに基づく成果を公表するとともに、平成29年打ち上げ予定の「いぶき後継機」(GOSAT-2)でも継続的な温室効果ガス観測を続け、その結果を地球温暖化予測に反映させていく計画にしている。