犬との生活が、他のペットより死亡リスクを抑える―加齢による心身衰弱や認知症などにも健康効果がある:国立環境研究所
(2024年8月22日発表)
(国)国立環境研究所環境リスク・健康領域の谷口優主任研究員らの研究グループは8月22日、犬との生活が、他の動物の飼育と比べて人の死亡リスクを抑えているとの研究成果を発表した。人と動物が共生できる社会の仕組み作りに役立つとみている。
人類は1万1,000年以上前の氷河期末期頃から犬と共生していたことが知られている。
研究グループは、オーストラリア国民の1万5,735人を追跡したデータを基に、友達や家族のように親しく付き合っている様々な動物との関係を調べた。
オーストラリア国民の死亡者データベースから2022年までの4年間の死亡情報と付き合わせ、因果関係を推定するための解析モデルを使って、動物飼育グループとそうでないグループを比べ死亡発生リスクが何倍になるかを調べた。
その結果、犬を飼育しているグループは、動物がいないグループより死亡リスクが23%抑えられていることが明らかになった。
これは犬の世話を通じた運動習慣が、心血管の病気による死亡リスクを抑えていると考えられる。
ネコや鳥、魚、その他の動物との関係では、死亡発生リスク自体は犬と似たようなデータもあったが、飼育と死亡リスクとの間に意味のある関係性は見られなかったという。
その違いとして、他の動物とは運動習慣への影響が小さいことを挙げている。