“宇宙の泡”探すAIを開発―銀河進化のナゾ解明へ:大阪公立大学/理化学研究所ほか
(2025年3月12日発表)
大阪公立大学、(国)理化学研究所、新潟大学の研究グループは3月12日、天の川銀河や他の銀河に数多くみられる泡状(リング状)構造の天体を効率よく検出する人工知能(AI)技術を開発したと発表した。人の目で数年かかった検出作業を数時間で済ませられるため、銀河の進化や星の形成メカニズムを効率よく解明できるようになると期待している。
開発したのは、最新の深層学習を利用した画像認識AI。銀河にはガス状物質の濃淡構造が存在し、その中に泡のような構造が数多く見られるが、これを効率よく探し出す狙い。こうした構造は主に生まれたばかりの大質量の星の活動によって作られ、星の形成や銀河進化の過程を解明する重要な手掛かりになる。
今回の研究では、米航空宇宙局(NASA)が2020年1月まで16年間にわたって運用してきたスピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた赤外線観測データを開発したAIに学習させた。そのうえで、太陽系が存在する天の川銀河のほか、大マゼラン星雲などの系外銀河も対象にして泡状構造の天体を探索させた。
その結果、天の川銀河で1,413個の泡状構造の天体を新たに発見。さらに天の川銀河以外の大マゼラン星雲やNGC628 などの系外銀河でも、未確認だった数多くの泡状構造が発見することができた。これまで人の目で何年もかけないと検出できず、見落としがあることも問題になっていた泡状天体の発見が、わずか数時間でできることが確認できたという。
また、この方法を応用することで、超新星爆発によって形成されたと考えられる大規模な泡状構造も検出できた。そのため、星の形成だけでなく銀河内で起きる爆発的な現象がもたらす影響についても、詳細な調査ができるようになったという。
今回の成果について、研究グループは「今後、より高度なAI技術を導入することで、銀河の進化や星形成メカニズムの解明が一層加速する」と、期待している。