渋皮がむきやすい早生のニホングリ「ぽろすけ」を育成:農業・食品産業技術総合研究機構
(2017年3月10日発表)
(国)農業・食品産業技術総合研究機構は3月10日、渋皮が簡単にむける早生のニホングリ「ぽろすけ」を育成したと発表した。渋皮がむきやすいニホングリの先輩として農研機構は約10年前に「ぽろたん」を開発し品種登録しているが、「ぽろすけ」は「ぽろたん」より1週間ほど早く収穫できるうえ、相互に実をつけるための受粉樹としても利用できるため、同じ農園に植えれば渋皮がむきやすいクリを安定生産できる。苗木は今年秋から販売され、全国どこでも栽培ができるという。
クリは外側の鬼皮と共に内側の渋皮もむきにくい性質があり、その処理に手間がかかっていた。渋皮が簡単にむける「ぽろたん」は画期的なクリとして評判だが、収穫期間が9月上旬から中旬の2週間程度に限られるため、全国のクリ栽培面積の1%しかなく普及を阻んでいた。
新開発の「ぽろすけ」は収穫期が8月下旬から9月上旬で、「ぽろたん」より1週間ほど早い。実の重さは21g程度と「ぽろたん」よりやや小ぶりで、果肉は粉質、甘みや香味もやや少なめ。
クリは同じ品種の花粉では実がつきにくい性質があり、花粉用に別品種を混ぜて植える必要があった。このため同じ農園で「ぽろたん」と「ぽろすけ」を植えれば受粉率もよく、渋皮がむきにくい実が混入することもなく収穫拡大が可能になる。