西之島の火山活動が再び活発化:気象庁気象研究所
(2017年6月19日発表)
国土交通省の気象庁気象研究所は、今年4月に1年5か月ぶりに噴火が確認された西之島(東京都小笠原村)付近での観測を実施したところ、一旦休止していた噴火が再び活動期に入り、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は前回(2013年11月から2015年にかけて)とほぼ同一程度に復活したと、6月19日に発表した。
気象庁の海洋気象観測船「啓風丸(けいふうまる)」で西之島に出かけ、5月25日から27日にかけて火口から2km付近まで接近し観測を実施した。
目視観測によると、火口から灼熱した溶岩塊を断続的に数十mから数百mの高さに吹き上げる噴火を繰り返していた。時折、空振を伴い火山灰や噴石を爆発的に放出する噴火も確認した。北側の山腹から溶岩流が溢れ、海に流れ込んでいた。
マグマ活動を判断するために、5月26日に火山ガスの中の二酸化硫黄の放出量を紫外線分光計で観測したところ、1日平均約500tに達し、前回の噴火と同程度だった。
さらに噴煙の下を観測船で通過して水溶性の火山ガス成分を調べたところ、フッ素、塩素、二酸化硫黄のイオンを検出した。これはマグマ噴火による火山ガスであることを裏付けた。