建物の外壁落下の危険性を町並み画像として表示:国土技術政策総合研究所
(2017年8月30日発表)
国土交通省の国土技術政策総合研究所は8月30日、建築物の外壁が剥がれて落下し、通行人などへの被害を防止するために、被害の範囲を画像化することができたと発表した。歩行者の安全を守るのが目的で、建物の所有者を対象に適切な維持管理の指導にも使うことにしている。
建築物の老朽化が進むと、外壁の剥落や落下がこりやすくなる。被害を防止するには通行人を守るとともに、建物の所有者や管理者に維持管理の重要性を知ってもらう必要がある。そのためには被害の範囲の画像化が欠かせない。
国土交通省はこれまで、建築物や橋、道路などの設計、デザインが、周辺環境と調和しているかどうかを評価するために、パソコン画面上で景観を模擬表示できる画像ソフトを作成していた。
この画像ソフトに、計測車が走行しながら得た外壁のデータや、法律で定められた建物の所有者、管理者の調査実施データなどを組み込んだ。剥離の危険性の有、無はパソコン上の街並み画像に「1」「0」のデジタルデータとして投入し、3次元で表示した。
壁面が落下すると路上にどのくらい散乱するかなどの範囲も分かるように工夫し、タブレット端末に読み込んだ。
街並みを、タブレット端末のカメラで写せば、危険範囲が重ねて表示される。利用者が歩きながら建物の壁面にかざすだけで、簡単に危険個所を確認できるようにした。