薄膜の分析がより高速で精密にできるようになった!:徳島大学/産業技術総合研究所
(2017年9月20日発表)
科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業において、徳島大学の南川丈夫講師、安井武史教授および(国)産業技術総合研究所(産総研)の大久保章主任研究員、稲場肇研究グループ長らの研究グループは、薄膜の新しい分析方法を開発した。産総研が以前に開発していた高性能な光コム装置(光の波長や強度、位相を精密に決めることができているレーザー光源)と徳島大学が考案した光の偏光を計測する新しい方法を組み合わせたものである。
薄膜は、これからの研究においてもいろいろな分野で注目を集めている。これを活用するためには、薄膜分析の精度を上げなくてはならず、これまでも色々な手法が提案されていた。今回、研究グループは、産総研が開発した高性能な光コム光源と、徳島大学が考案した光の偏光を計測する新しい方法を組み合わせることで、機械的あるいは電気的な光の変調が必要でない新しいエリプソメトリー法を開発し、実証した。
その結果、これまでの手法では、波長分解能が0.1~0.01nm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)程度であったが、新しい方法では1.2×10-5nmまで向上させることができた。この手法を利用すると、機能性薄膜や高精度な特性の評価などができると期待される。