熊本地震で現れた活断層図を公開:国土地理院
(2017年10月31日発表)
国土交通省の国土地理院は、昨年の熊本地震で現れた布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)地震断層と周辺地域の活断層の詳細な位置形状を表した2万5,000分の1の活断層図「阿蘇」、「熊本」(改訂版)の2図を、10月31日から国土地理院のウェブページで公開した。
空中写真の判読などによって活断層を抽出し、断層の正確な位置やずれの方向などを明らかにした。
これらは国や地方公共団体が実施する地域防災計画やハザードマップ(災害の被害を予測し、避難に関する情報などを載せた地図)作成などの際の基礎資料として生かされる。
「阿蘇」図には、これまで知られていた布田川断層など12断層に加え、新たに確認された2つの「的石端辺(まといしはたべ)Ⅰ断層」と「的石端辺Ⅱ断層」が掲載された。
12断層のうち最も長い布田川断層(10.4km)はこれまで阿蘇外輪山西側の縁までとされていたが、熊本地震で外輪山の内側まで活断層が伸びていることが地震断層とともに確認された。
一方、「熊本」図には7断層が掲載され、うち2つの益城町寺迫(ましきまちてらさこ)断層(4.2km)と水前寺断層(7km)は新たに確認された。
活断層は、最近数十万年の間に約千年から数万年の間隔で繰り返してきた跡が地形に明瞭に現れており、今後も活動を繰り返すと考えられているものを指す。しかし、いつ動いたかは調査していないため、国土地理院はこの図からはいつ動くのかの推測はできないとしている。