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「チバニアン」が最有力候補に―国際学会の標準地層選定で:国立極地研究所/茨城大学/千葉大学/国立科学博物館ほか

 千葉県市原市にある約77万年前の地層が地球の歴史の一時期を代表する標準地層として国際的に認められる可能性が出てきた。国立極地研究所や茨城大学、千葉大学、(国)産業技術総合研究所など18機関が1114日、同地層が国際地質科学連合(IUGS)で最有力候補に選ばれたと発表した。最終的な決定にはまだ審議が残されているが、正式に決まれば「チバニアン」の名称で日本初の標準地層になる。

 最有力候補になったのは、現在は中期更新世と呼ばれる約77万年前~約126千年前の地層。77万年前は地球の磁場が最後に逆転した時期と重なり、更新世の前期と中期の境界を示す地層は地球の歴史を探るうえで重要な指標になる。

 今回の標準地層の選定には、市原市の地層のほか、イタリアにある二つの地層も名乗りを上げていた。これら3地層の中からIUGSの作業部会がこのほど市原市の地層を最有力候補に選び、上部機関である小委員会に答申した。

 今後、IUGSの中で3段階にわたって審査が続くが、審査が終了するのは早くても来年以降になるという。市原市の地層が最終的に選ばれれば、ラテン語で「千葉の時代」を意味する「チバニアン」が国際的に認められた標準地層になる。世界には標準地層が68カ所あるが、日本には今のところまだない。