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香川の高病原性鳥インフルエンザはヨーロッパ型とユーラシア型の遺伝子再集合―渡り鳥がウイルスの世界規模の運搬に関与:農業・食品産業技術総合研究機構

(2018年1月24日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構の動物衛生研究部門は124日、今年1月に香川県の農家で発生した高病原性鳥インフルエンザの原因ウイルスを、ゲノム(全遺伝情報)解析によって解明したと発表した。2016年から2017年にかけてヨーロッパで流行したウイルスが、渡り鳥の繁殖地のシベリアに運ばれ、そこでウイルスと遺伝子再集合をおこし、新たにできたウイルスがこの冬場に渡り鳥によってオランダと日本の香川県に分かれて運搬されたとみている。

 香川県の農場のニワトリから見つかったのは高病原性鳥インフルエンザH5N6(香川株)で、既に感染した10万羽近くのニワトリが殺処分された。

 香川株の全ゲノム配列を解読したところ、8本のゲノムの断片(遺伝子分節)のうち7本が201712月にオランダで流行したオオカモメのH5N6亜型(オオカモメ株)に由来していた。また残り1本の断片はユーラシア大陸の野鳥に広まっているHxN6亜型に由来していた。

 このことから2016年から2017年にかけてヨーロッパで流行したH5N8亜型ウイルスと、ユーラシア大陸の鳥類がもつHxN6亜型ウイルスとが遺伝子再集合をおこし、H5N6亜型ウイルスとなってオランダと香川に運ばれたとしている。

 H5N6亜型は201711月に島根県のコブハクチョウから分離されたものとは遺伝的に近縁だったが、別物とわかった。この冬には日本国内に少なくとも2種類のH5N6亜型が侵入していることを示している。