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有機ケイ素材の主成分ポリシロキサンの新合成法を開発―簡便な操作で合成分子の構造を精密制御:産業技術総合研究所ほか

(2018年2月19日発表)

 (国)産業技術総合研究所は219日、シリコーンなどの主成分となるポリシロキサンの構造を精密に制御できる新しい合成法を開発したと発表した。分子量と末端構造が制御されたポリシロキサンを簡便に作れることから、高機能・高性能なシリコーン材料の開発促進が期待できるという。

 シリコーンなどの有機ケイ素材料は炭素系高分子材料にはない優れた物性を備えており、身近な生活用品から高機能製品など様々な製品に使われている。それに伴って、有機ケイ素材料に要求される性能も年々高まっており、それに応える有力な方法の一つと考えられているのが、有機ケイ素材料の主成分であるポリシロキサンの分子構造の精密制御。

 現行の製法では分子構造を均一かつ精密に制御することは難しいが、それが可能になれば、未知の性能を引き出すことが期待できるとされている。

 産総研は今回、簡便な合成操作で様々な構造のポリシロキサンを合成できる技術を開発した。

 新手法は、環状トリシロキサンを原料とし、水を重合開始剤、高い塩基性の有機化合物であるグアニジンを触 媒に用いて重合反応させるというもの。

 分子量と両末端構造を制御したポリシロキサンは、従来法では合成自体が困難であるか、あるいは合成操作が煩雑であったが、新手法によると、これを簡単な操作で合成できるという。

 分子量のばらつきが小さい構造制御ポリシロキサンを原料として利用することで、エラストマー(ゴム)やゲル、材料の表面処理剤や無機粒子の分散剤などの分野で、高温での耐久性や、ナノ構造の制御性に優れた高機能・高性能シリコーン材料の開発が期待されるという。