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ビッグデータで登山道を修正した地形図を初公開―上高地、八ヶ岳道を正確に表示、安全登山への一歩:国土地理院

(2018年3月7日発表)

 国土交通省の国土地理院は、スマホで使われるようになった「登山アプリ」と呼ばれる登山径路データを活用して、25,000分の1の地図の登山道の一部をホームページ上で修正し、37日に公開した。今回の修正は「上高地」と「八ヶ岳」(いずれも長野県)の2カ所で、夏山シーズンに向けて全国の主要な山の登山道を徐々に修正、公表し、登山の安全に役立てる。

 最近の登山はスマホに登録したアプリを使って、GPSによる正確な位置情報を得てルートを確認するなど、移動径路情報の利用が急増している。道に迷う心配が少なく、登山計画も立て易いためで、数十万件に上るビッグデータとしてアプリ業者に蓄積されている。

 一方、25,000分の1地形図は国土地理院が1965年以降に作成したもので、多くの登山者の必携品だが、中にはがけ崩れなどで度々登山道が変更することがあった。

 地図の修正は、自治体や山岳関係者などからの提供を受け、信頼性があり、必要と判断した場合に国土地理院が修正して来た。しかし多くの時間と労力がかかっていた。

 そこで昨年10月に、アプリの登録者数10万人以上、登録記録件数50万件以上をもつアプリ業者かの協力を募った。これに株式会社ヤマレコと株式会社ヤマップの2社が、無償で協力することになった。

国土地理院地図にビッグデータを付き合わせたところ、小さなズレは全国各地に渡っているが、まずは利用者の多い上高地と八ケ岳から修正に着手した。

 「上高地」では、蝶ヶ岳ヒュッテ東側の登山道が約700mわたって最大200mから数十mの幅で北側にズレていた。「八ケ岳」では、明神南沢の西側の登山道が約500mにわたってジグザグのズレが見られた。

 今後、北アルプス、南アルプスなど登山者の多いルートを中心に、より正確な登山道の情報を地形図に表示し、登山者の安全に役立てることにしている。