もち米の新品種を開発―菓子への加工後も柔らかさ持続:愛知県農業総合試験場/農業・食品産業技術総合研究機構
(2018年3月20日発表)
愛知県農業総合試験場と(国)農業・食品産業技術総合研究機構は3月20日、和菓子などに加工した後も柔らかな食感が持続するもち米の新品種を開発、新品種登録をしたと発表した。
開発した新品種は「愛知糯(あいちもち)126号」。もち米に含まれるデンプンは糖が結合した枝を多数持ったアミロペクチンで構成されており、この枝が長いと、もちに加工した後で冷えたときに枝が絡まって硬くなり易い。これに対し、新品種は枝の長さが一般にもち加工食品で使用されている「ヒヨクモチ」などの従来品種よりも短くなっており、もちに加工した後で冷えても柔らかさが維持されるという。
新品種はイネの重要病害である、いもち病やイネ縞葉枯れ病に対しても極めて強い抵抗性を持っているほか、収穫期や収量など品質の点でも愛知県で従来から栽培されている主要品種「ココノエモチ」と同等だとしている。
もちを原料にした和菓子では製品の柔らかさを維持するため、生地にデンプン分解酵素や糖類を添加する場合が あったが、もち本来の風味を損なうとして、何も加えなくても柔らかさが持続する新品種の開発が期待されていた。
今後、新品種の種子を増やして2019年には生産者が栽培を開始し、新品種を用いた和菓子などの加工食品が販売される予定だ。