国際宇宙ステーション「きぼう」利用の連携協定―アフリカの水質管理など国際貢献に利用:東京大学/宇宙航空研究開発機構
(2018年4月26日発表)
東京大学と(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月26日、国際宇宙ステーション「きぼう」の日本実験棟からの超小型衛星放出や人工衛星用のセンサー類の実証試験など、今後の技術革新や国際貢献に向けた利用、活動を拡大するために、連携協力協定を締結することで合意したと発表した。
「きぼう」は日本が開発した宇宙実験棟で、直径4.4m、全長4.2mの円筒形。国際宇宙ステーションの最大の施設で2009年に完成した。棟内は地球と同じ1気圧に保たれている。これまで微小重力実験やたんぱく質の結晶作り、小型人工衛星の放出、ネズミなどを使った生命科学研究、天体観測、宇宙放射線に対する材料の耐久性など様々な実験を積み重ねてきた。
JAXAは2016年に「きぼう利用戦略」を作り、大学や民間企業などと共に超小型衛星放出やたんぱく質結晶化実験などの利用拡大を進めてきた。
今回の連携協力協定は、JAXAが培った有人宇宙技術のノウハウや知識と、東京大学の研究、人材育成を組み合わせて長期的な「きぼう」の利用に活かしていく。
連携テーマは、①超小型衛星放出の取り組み ②人工衛星搭載用センサー類の軌道上実験 ③有人宇宙施設の遠隔操作、自動化・自律化運用に向けた取り組みの3つを挙げている。
第一弾として東大の中須賀・船瀬研究室がルワンダ政府関係機関との共同で超小型衛星を製作し、アフリカ諸国の水質管理に活かすなど途上国向けの国際貢献を目指す。