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有機マイクロ結晶でレーザー―2色の光を同時発振:筑波大学ほか

(2018年6月22日発表)

 筑波大学と神奈川大学、東京大学の研究グループは622日、二種類の有機分子を混合して0.01㎜角前後のマイクロ結晶を作成することに成功、有機分子の混合比によっては2色のレーザー光を同時に発振させられることを見出したと発表した。波長の異なる多色レーザー光発振の可能性を示せたとして、今後、光集積回路やバイオセンサーへの応用が広がると期待している。

 筑波大の山本洋平教授と大学院博士課程の岡田大地さんが、神奈川大の辻勇人教授、東大の中村栄一特任教授、(国)産業技術総合研究所、ストラスブール大(フランス)と共同で同時多色レーザーの発振に成功した。

 使用した有機分子は、辻教授と中村教授らが2012年に開発した炭素架橋オリゴフェニレンビニレン(COPV)。きわめて優れた発光特性と光耐久性を示す有機分子として知られる。今回、研究チームは性質が異なる2種類のCOPVを混合した材料でマイクロ結晶を作ることに成功した。

 さらに、このマイクロ結晶に外部から光を照射して結晶を興奮(励起)状態にすると、結晶内部に閉じ込められた特定波長の光が強められ、レーザー発振が起きることが確認できた。また、2種類のCOPVの混合比によっては、2つの波長域から同時にレーザー発振が起きることも明らかにした。

 性質が異なる2種類の有機分子を望みの割合で混合した有機結晶を作るのは、これまでは通常困難とされていた。