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紫サツマイモの新品種「ふくむらさき」を開発―糖度が高く、しっとりとした食感が特長:農業・食品産業技術総合研究機構

(2018年11月15日発表)

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「ふくむらさき」の塊根
標準栽培した「左:ふくむらさき」と「右:パープルスイートロード」。2018年10月14日撮影。
(提供:農研機構九州沖縄農業研究センター)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構は1115日、食味に優れた紫サツマイモの新品種「ふくむらさき」を開発したと発表した。来年春から種苗会社を通じて苗を販売し、青果用サツマイモ産地の茨城県など関東を中心に普及させていく。

 サツマイモといえば黄色い肉質がよく知られている。沖縄、鹿児島地方には肉質が紫色の「紅いも」(紫サツマイモ)が古くから伝わっていた。この紫サツマイモには、抗酸化作用や老化予防効果が期待されるアントシアニンが豊富に含まれているものの、黄色系に比べて甘みの食感が足りなかった。

 「もっと甘みが欲しい」との生産者の声に応えようと、農研機構九州沖縄農業研究センターの甲斐 由美研究員、末松 恵祐研究員らが開発にあたった。

 食味が優れることで知られる黄肉質系の「九系255」を母に、紫サツマイモで最も普及している「パープルスイートロード」を父として交配し、新品種「ふくむらさき」を育成した。

 肉質の色は「パープルスイートロード」より濃い紫色で、蒸しイモや焼きイモにした時の糖度は「べにはるか」と同等に高く、肉質はやや粘質でしっとりした食感。食味の総合評価が高くなった。

 ちなみに品種の名前「ふくむらさき」は、美味しさが、食べた人を幸福な気持ちにさせることから付けられた。