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超薄型センサチップの製造・切り離し・組み立て技術開発―次世代型フレキシブルエレクトロニクス製造に照準:東京大学/産業技術総合研究所

(2019年2月14日発表)

 東京大学と産業技術総合研究所の研究グループは2月14日、厚さ1,000分の5mm(5μm(マイクロメートル))の超薄型半導体センサチップを一般的な半導体製造プロセスを用いて大量に一括製造し、それをプラモデルのように1つずつ切り離して電子回路上に配置・配線する組み立て技術を開発したと発表した。

 極めて薄いセンサチップを破壊することなく切り出すことができ、集積回路やセンサなどが入った半導体部分を曲げられることから、次世代のフレキシブルエレクトロニクス開発への応用が期待されるという。

 従来の半導体センサチップは厚さが300μm以上あり、硬く曲げられなかった。そこで、研究グループはフレキシブル化への対応を目指し、厚さを5μmまで薄くする技術を開発した。ただ、このチップを切り出すのに、これまでの方法だと、のこぎり歯のついたダイシングソーという装置を用いざるを得ず、チップが破壊されるという問題があった。

 開発したのは、センサチップをのこぎりで切り出すのではなく、プラモデルのパーツを切り離すのと同様な方式でチップを取り出す技術。チップを上から弱く押すだけで切り離すことができる。センサチップの超薄型化から搬送・組み立てまで一連の技術を開発した。

 特に、切り離し部分だけに力が集中し、切り離しの際にセンサや集積回路部分には力がかからない機械構造を設計し、実現した。得られたセンサの特性を評価したところ、高い性能が確認されたという。

 今回の技術開発により、5μmという非常に薄く、曲げることができる半導体チップの製造、組み立てが可能となった。また、半導体工場にある既存の半導体製造プロセス装置や実装装置を用いた技術なので、開発した設計手法を取り入れるだけで早期に実用化が図れる、という特色があり、次世代高性能フレキシブルエレクトロニクスへの展開が期待されるとしている。