(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月30日、地球と国際宇宙ステーション(ISS)の間を結ぶ同機構の無人宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)が3月30日午後0時9分(日本時間=以下、時間は全て日本時間)頃、ニュージーランド東の南太平洋上空高度約120kmで大気圏に再突入し今回の全任務を終了した、と発表した。今年1月22日に同機構種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-ⅡB」ロケット2号機で打ち上げられてからの飛行時間は約67日だった。 「こうのとり」は、今年退役する米国の「スペースシャトル」に代わって、ISSに補給物資や実験器具などの資材を運ぶために日本が開発した無人の宇宙補給機。全長10m、直径4.4mの円筒形で、高度約400kmで地球を周回中のISSに最大約6tの資材を運べる。「こうのとり」のようなスペースシャトル代替機は、ロシアとESA(欧州宇宙機関)も運用しているが、大型機材を運べるのは「こうのとり」だけである。 「こうのとり」2号機は、1月28日にISSとドッキングして以来、3月29日未明に離脱するまで約60日間ISSと結合を続け、この間に運んで行ったISSの日本実験棟「きぼう」で使う実験ラックなど合計5.3tの物資・資材をISSに搬入。帰りには、ISSで発生した廃棄物や不要品など約2.4tを積み込んだ。「こうのとり」2号機とそれら廃棄物などのほとんどは、大気圏再突入時の高温で燃え尽きたとみられている。 2009年の初号機(技術実証機)に続く今回の2号機の成功と実績により、「こうのとり」の重要性がより高まるものと国内外から期待されている。 詳しくはこちら | |
ISSを離れた「こうのとり」2号機(提供:JAXA) |
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