日本実験棟「きぼう」から放出する3小型衛星を選定
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月15日、来年秋に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から地球周回衛星を目指して放出する小型の3衛星を選定したと発表した。選ばれたのは、[1]和歌山大学の「RAIKO」、[2]福岡工業大学の「FITSAT-1」、明星電気(株)の「WE WISH」の3衛星。この試みは、小型衛星を使った宇宙開発利用の裾野の拡大、人材の育成に役立つとして注目されている。
 人工衛星を地球軌道に乗せる手法は、ロケットによる打ち上げだけではない。「きぼう」のように既に衛星速度を得て飛行中の宇宙実験棟からの放出でもよい。
 そこでJAXAは今年3月、「きぼう」からの小型衛星放出実験の要項を公開して募集を開始、4月の締切りまでに大学、民間企業など8機関からの応募があった。JAXAは、外部有識者4人を含む選定委員会を設け、計画内容や技術を総合的に審議して評価。5月の選定委員会で、和歌山大学の「RAIKO」など3衛星を搭載衛星として選定、15日開催の宇宙開発委員会に報告した。
 和歌山大学の「RAIKO」は、魚眼カメラによる地球の撮影、高速データ通信実験、ドップラ周波数計測による軌道決定実験などが目的。福岡工業大学の「FITSAT-1」は、小型衛星用高速送信モジュールの実証実験と高出力LED(発光ダイオード)による可視光通信実験を行う。明星電気(株)の「WE WISH」は、超小型熱赤外カメラの技術実証と小型衛星取得データの利用促進を狙う。
 大きさは、各衛星いずれも縦・横10cm、高さが10~20cm。

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