大震災で停止した放射光施設再開にメド
:高エネルギー加速器研究機構

 高エネルギー加速器研究機構は6月15日、東日本大震災以来運転を停止しているつくば市(茨城)の放射光施設「PF-AR(フォトンファクトリー・アドバンストリング)」で、放射光が全ての実験機器に到達することを確認したと発表した。
 これで精密機器に放射光を通しながらの機器調整が可能になったとし、同施設を利用した経験のある国内外のユーザーの協力を得ながら機器調整に入り、試料に放射光を照射する利用実験に進みたいとしている。
 PF-ARは、大強度のパルス放射光を作る加速器。3月11日の大地震により加速器リングの継ぎ目部分にずれが生じ、地震後初めて放射光を実験機器に通した際には、放射光の位置が最大で約500μm(マイクロメートル、1μmは100万分の1m)ずれていた。
 その後の調整でそのずれも直り、全ての実験機器で震災前とほぼ同じ位置に放射光を導入できることが確認できたという。
 同機構では、PF-ARの調整を進め、秋には内外のユーザーとの共同利用実験を再開したいとしている。

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PF-ARの安全装置動作試験(提供:高エネルギー加速器研究機構)