(独)国立環境研究所は7月25日、極寒下でも無人で大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を自動測定する装置を開発したと発表した。冬季には人手による保守管理が難しい富士山頂で7月25日以降本格的な測定を開始、初の越冬自動観測に挑戦する。 同研究所地球観測研究センターが2007年から開発、2年間にわたる試験観測を続けて実用性を確認した。 大気中のCO2は、地球温暖化の主な原因とされており、世界各地で継続的に観測されている。富士山(標高3,776m)での観測データは、1958年以降続けられているハワイのマウナロア観測所(同3,397m)、沖縄や北海道での観測データと比較することで、東アジアのCO2発生の地理的特徴などをつかむのに役立つと期待される。 開発した装置は、外気温が氷点下30℃以下、室内でも同20℃以下、気圧が通常の3分の2という富士山頂でも、毎日1回、精度0.3ppm(1ppmは100万分の1)以下で測定したCO2濃度を衛星で自動送信する。電源は、100個のバッテリーを使用、夏に充電すれば10カ月以上にわたってデータを送り続ける。
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富士山頂の気象観測所内に設置された新開発のCO2濃度自動測定システム(提供:国立環境研究所) |
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