(独)産業技術総合研究所は1月28日、次世代ロボットの研究開発を効果的・能率的に促進するため、単体のロボットだけでなく、空間にセンサーなどを分散させた知能化空間や既存の機械類をより知能化したシステムなど多様化したロボットの様々の機能要素を通信ネットワークを通じて自由に組み合わせるための基盤ソフトウエアを開発、一般への配布を始めると発表した。
「OpenRTM-aistバージョン1.0」と呼ばれるこの基盤ソフトウエアは、C++言語を使っているが、さらにJava言語版などへの移植版を開発中で、開発が終り次第一般公開する予定という。
ロボットの研究開発は、これまで個別的に行なわれることが多く、開発者が全てのソフトウエアを開発していたため効率が悪く、システム間のインターフェースの互換性や標準がないので、過去のソフトウエア資産の再利用に多くの手間と時間がかかった。この問題を克服しようと、今回開発のソフトウエアではセンサーやモーター、ロボットアームや移動台車など、ロボットの機能要素をモジュール(基本要素)化することで開発効率の向上と開発費用の低減を狙った。
同研究所は、こうした目的のソフトウエア開発を2002年度から着手、まず2005年に「OpenRTM-aistバージョン0.2」を評価用として一般公開し、翌年にバージョンアップした「同0.4」を発表した。今回の「同1.0」は、OMG(世界の約460団体が加盟する国際標準化団体)の公式標準仕様に準拠した初のバージョンで、遠隔地からモジュールの基本単位制御ができるマネジャー機能などを追加、実用化に向けた高品質化、高機能化を図っている。
詳しくはこちら
No.2010-4
2010年1月25日~2010年1月31日