(独)農業・食品産業技術総合研究機構は2月2日、集荷したリンゴやナシに付着しているハダニ類を高能率で除去する洗浄装置を開発したと発表した。
近年、東アジア諸国などへのリンゴ、ナシの輸出が活発になってきている。そのリンゴ、ナシの輸出検疫で問題になるのが果実の上下のくぼみに付着するハダニ類の除去。ハダニ類の付着は、商品価値を損なうため貿易業者から除去を強く求められる。
しかし、現状はというと、エアガンからの圧搾空気を手作業で果実一個一個に吹き付け処理するしか方法がなく、多くの時間を要している。
開発した洗浄装置は、果実をターンテーブル上に置いて、ノズルから上下2個所のくぼみに向け同時に微細化した水滴を含む圧搾空気の旋回流を吹き付け、一気にハダニ類を除去、処理が終わったらターンテーブルが自動的に回って次の果実がノズルの位置にセットされるというもので、連続して自動で処理できる。
同機構は、全国からハダニが付着したリンゴを集め性能試験を行った結果、付着ハダニを完全に除去した割合を示す「除去果数割合」が95%に達し、現用の手作業によるエアガンでの除去を上回り、単位時間当たりの処理能力が手作業の2.7倍になることが分かった、としている。
同機構は、平成22年度の市販化を目指して企業への技術提供を積極的に進める方針。
No.2010-5
2010年2月1日~2010年2月7日