初の金属ナノ粒子連続合成装置を開発
:産業技術総合研究所/新光化学工業所

 (独)産業技術総合研究所は2月15日、(株)新光化学工業所と共同で粒径がnm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)オーダーの金属ナノ粒子を24時間連続して合成できる「金属ナノ粒子連続合成装置」を開発したと発表した。
 これまでの金属ナノ粒子の製造装置は、バッチ(回分)式のため、バッチ毎の原料交換や洗浄などメンテナンスに手間がかかる、などの課題を抱えていた。
 これまでも、原料溶液にマイクロ波を照射すると短時間に金属ナノ粒子を合成できることは知られていたが、連続合成ができなかった。同研究所は、(株)IDXと共同開発した「マイクロ波利用流通型反応装置」の技術を利用して、安定した品質の各種金属ナノ粒子を連続して合成できる実用レベルの安全な製造装置を実現した。
 金属ナノ粒子は、フレキシブル基板の配線材料、触媒、二次電池や燃料電池の電極などに使われ、大量に作れる連続合成技術の開発が望まれている。
 新装置は、メンテナンスフリーで連続運転でき、銀のナノ粒子を合成した場合で、得られる銀粒子の全ての粒径を6~12nm内におさめられる。
 原料溶液の組成を任意かつ自動で調整できるため、少量多品種のナノ粒子の製造も簡単に行えるという。

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新装置で合成した銀のナノ粒子の透過型電子顕微鏡像(提供:産業技術総合研究所)