パキスタン襲った集中豪雨を人工衛星「だいち」使い観測
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月4日、陸域観測衛星「だいち」(ALOS)を使いパキスタンを襲った集中豪雨の緊急観測を行い、得られた画像情報をアジア太平洋地域の自然災害を監視している国際協力機関「センチネルアジア」に提供したと発表した。
 パキスタンの北西部は、7月29日から集中豪雨に見舞われ、各地で洪水や土砂崩れが生じ甚大な被害を出した。
 同機構は、今回の観測に先立ち「だいち」に搭載している「アブニール-2」と呼ばれる青から近赤外域の電磁波を4つのバンド(周波数帯)で観測できる高性能可視近赤外放射計を使い南アジアのブータンで発生したモンスーンによる水害の撮影を7月25日に行っており、今回は「アブニール-2」と、プリズムの一種パンクロマチック立体視センサーを使って行った。
 右の写真は、豪雨後の8月3日に「アブニール-2」で捉えたアフガニスタン近くのパキスタンの河川の様子を拡大したもので、約6km四方を写している。写真の黄色の楕円内の青い部分が増水した河川で、同機構は「増水で川幅が広がっているのが分かる。今後も豪雨が続くようだと浸水被害が拡大する恐れがある」と警告している。

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