(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月4日、同機構が現在開発中の「GCOM(ジーコム)-W」と呼ぶ降水量や積雪量、水蒸気量など地球上の水循環を宇宙からウオッチする水循環変動観測衛星の地上でのアンテナ展開試験に成功したと発表した。
GCOMは、同機構が取り組んでいる地球観測計画「地球環境変動観測ミッション」の英語名「Global Change Observation Mission」の略称で、2種類の衛星を5年おきに3回打ち上げ、計6機の衛星で10~15年の長期にわたって地球上の陸地・海洋の様々な水データを継続して観測するという一大プロジェクト。
その2種類の衛星の一つが「GCOM-W」。地表や海面、大気などから放射されるマイクロ波を搭載するマイクロ波放射計(AMSR2)で高度約700kmの宇宙から観測する衛星で、2011年度に「H-ⅡA」ロケットで打ち上げる予定で開発が進められている。
そのAMSR2のアンテナは、直径が約2mにもなることから、折りたたんだ状態で打ち上げ、軌道に乗ってから火薬を爆発させて折りたたみを解き、バネの力で展開するが、今回展開までを地上で試みた。
展開試験は、つくば市(茨城)の同機構筑波宇宙センターで、宇宙での無重力を模擬した状態のもとで行われ、正常に展開することを確認した。アンテナ展開時に発生する衝撃のレベルも規定のレベル以下だったという。
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No.2010-30
2010年8月2日~2010年8月8日