(独)農業・食品産業技術総合研究機構は8月20日、ヤンマー(株)と共同で新型キャベツ収穫機の実用化にメドをつけたと発表した。 加工用や業務用のキャベツの需要が拡大していることから、北海道などの畑作地帯では、大規模なキャベツ作りの導入と育成が求められている。しかし、大規模キャベツ栽培で必要となる省力・低コストのキャベツ収穫機は、まだ実用化までいっていない。 新型キャベツ収穫機は、自走式・乗用型で、人手を介さずに畑のキャベツを高精度な刈り取り機構で一斉収穫し、ベルトコンベアで収穫機の後部に搭乗する作業員に流して機上で不要な外葉を剥がすなどの選別を行い、その場で出荷用の大型コンテナに積み込むという方式。 大きさは、長さ4.9m、幅1.8m、高さ1.78m。重量は、1.65t。秒速2mで移動できる。 同機構の北海道農業研究センターで行なった実際のキャベツ畑でのテストでは、毎秒0.15mの作業速度でキャベツを収穫し、キャベツを1列ずつ刈り取っていく従来の1条型収穫機の2倍の作業能率を確認したとしている。 また、鹿児島県農業開発総合センターで行なった試験では、全体の85%以上のキャベツを損傷なく刈り取ることができたという。 同機構は、今後、北海道や鹿児島などキャベツを大規模に作付けしている産地で実証試験を実施し、「平成25年度の市販開始を目指す」といっている。
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新開発の自走式・乗用型キャベツ収穫機の畑での収穫テスト(提供:農業・食品産業技術総合研究機構) |
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