「将来の宇宙開発見据えた布石打つ」―奥村直樹新理事長
:宇宙航空研究開発機構

奥村直樹新理事長(提供:JAXA)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新理事長に4月1日付けで就任した奥村直樹氏は同日、記者会見し「日本の宇宙航空分野の大きな展望が開けるよう努力していく」など抱負を語った。
 奥村新理事長は、元新日本製鉄(現新日鉄住金)副社長を2005年から2007年まで務めた経済界出身者。これまで日本の宇宙開発を外から見てきた一人として、「JAXAは、ロケットの連続打ち上げ成功や、小惑星探査機『はやぶさ』の帰還、国際宇宙ステーションでの有人活動など、国際的にも高く評価される多くの実績を重ね、世界の先頭に立っている」と評価。
 さらに、宇宙基本法の整備やJAXA法の改正、宇宙基本計画の改訂でJAXAを取り巻く環境が大きく変化してきていることに触れ「JAXAには安全保障・防災なども含めた政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的な実施機関という、これまでにない重要な役割が期待されている」との認識を示した。
 こうしたことを踏まえ奥村新理事長は、「JAXAが宇宙・航空分野の基礎研究から、打ち上げ、利用までの幅広い役割を担っていくに際し注力したいと思っていること」として次の3点を挙げた。
(1) 宇宙基本計画に定められた「政府全体を技術で支える中核的実施機関」の役割として、新たな業務に果敢にチャレンジしていくこと。
(2) 国際的に高いレベルの成果を出し、成功を積み重ねるとともに、中長期的な国際競争力の維持・向上を実現できるような取り組みによって国民の期待に応えること。
(3) 中期目標の達成はもちろんのこと、それに加えて新しいアイディアやコンセプトから価値の高いプロジェクトを生み出すとともに、将来の宇宙開発を見据えた布石を打つような提案を行なっていくこと。

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