(独)農業・食品産業技術総合研究機構は4月3日、倒れにくく、多収で、病気にも強い二条大麦の新品種を開発したと発表した。
二条大麦は、ミソや焼酎、ビールなど醸造用の需要が多く、現在「ニシノホシ」という品種が普及している。
しかし、ニシノホシは、オオムギ縞萎縮病のウイルスに感染するほか、多肥栽培では細粒が出やすく収量が低下する、などの弱点を持っている。
新品種は、「はるか二条」といい、農林水産省の委託プロジェクト「水田の潜在能力発揮などによる農地周年有効活用技術の開発」(平成22~26年度)の成果。
「ニシノホシ」と比べ、(1)出穂期、成熟期とも2日程度早い、(2)穂の数が多く、倒伏に強い、(3)整粒収量が30%以上高い、(4)オオムギ縞萎縮ウイルスの主要な系統と、うどんこ病に抵抗性がある―と同機構は評価している。
すでに、長崎県で食用、焼酎醸造用としての試作が始まっており、同県はこの新品種「はるか二条」を奨励品種として採用する予定。そのほかの九州各県の奨励品種決定調査でも有望視されているといわれ、「ニシノホシ」に代わる食用・焼酎醸造用の主力品種になるのではと期待されている。
No.2013-13
2013年4月1日~2013年4月7日