開発された摘果用ハサミ(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)
(独)農業・食品産業技術総合研究機構は4月16日、岩手県農業研究センター、(株)サボテンと共同で、リンゴの摘果が楽にできる新しい摘果ハサミを開発したと発表した。
リンゴは4~5個程度集まった状態で実がなる。その実の集まりのことを「果そう」と呼ぶが、集まりのまま成長させると小さくて味の悪いリンゴしか実らないため、不要な実を間引く「摘果作業」が欠かせない。
しかし、摘果作業は、葉を避けながら不要な実をハサミで一つ一つ切断していく細かい手作業になることから、ハサミの開閉動作が腱鞘炎などの健康障害の一因になるとしてその改善が求められている。
新開発の摘果ハサミは、全長160mm、重さ70gで、リンゴの代表的品種「ふじ」などで行なった現場テストで1果そう当たりの開閉回数が現用のハサミによる摘果より最大65%、平均29%低減し、1果そう当たりの摘果速度を最高27%、平均13%アップできることを確認したという。
「(リンゴ)生産者によるモニター利用試験の後、平成25年度中に市販される予定」と同機構はいっている。