砂丘を守る新工法を開発
:国土技術政策総合研究所/ナカダ産業/前田工繊/三井化学産資

 国土交通省の国土技術政策総合研究所は6月14日、ナカダ産業(株)、前田工繊(株)、三井化学産資(株)と共同で砂丘を守る新工法を開発したと発表した。
 海岸の砂丘は、後背地を高波や津波、塩害などから守る自然の防波堤の役目を果たしているが、繰り返される波の衝突によって砂が削られ「浜崖(はまがけ)」と呼ばれる崖が形成される現象が各地で発生し、その防止が課題になっている。
 新工法は、それに応えるもので、「浜崖後退抑止工」といい、浜崖の基部を「サンドパック」という砂袋で保護し、砂を外部から入れる養浜(ようひん)を行なって砂丘を守る方式。
 サンドパックは、海外で広く使われているが、波浪が大きく砂礫浜の多い日本の海岸では磨耗や波に対する不安からこれまで使われていなかった。同研究所は、3社との共同研究で、水理実験、劣化促進試験、現地実験などを重ねるとともに、サンドパックの劣化予測や波力に対する必要重量算出などが行えるようにし、適用できる海岸の条件を明らかにして日本での実用化を可能にした。
 サンドパックは、現地の砂をポンプで布袋に充填して作り、砂浜になじんだ色にできるという。「コストは、コンクリート製護岸の約8割」と同研究所はいっている。
 同研究所は、この研究成果の報告会を7月2日午後1時30分から、つくば市(茨城)の文部科学省研究交流センターで行う。参加申し込みは、氏名・所属などを申し込みアドレスにメールで送付。7月1日締め切り、先着順。問い合わせは、同研究所海岸研究室(TEL029-864-4874)へ。

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