高密度実装技術で高機能インターポーザーを開発
―電子機器の消費電力低減に寄与
:産業技術総合研究所/アリーナ

 (独)産業技術総合研究所は10月25日、電子部品の超高密度実装技術を持つ(株)アリーナと共同で、消費電力が少ない新世代の電子回路に対応できる部品内臓インターポーザーを開発したと発表した。インターポーザーはLSI(大規模集積回路)間やデバイスと回路基板間などを中継する配線構造体で、信号伝送線路や電源を供給する電源ネットワーク(電気回路網)を持つ。開発したインターポーザーを用いると、電源ネットワークのインピーダンス(電流の流れにくさを表す量)が高周波数帯域まで低減されるため、低消費電力で高機能な電子回路の実現が期待できるという。

 

■機器の小型化・省資源化も

 

 電子機器が占める総エネルギー消費量は増大の一途をたどっており、それを抑えるために電子回路の低消費電力化が課題になっている。電子回路の電力消費を減らすには電源電圧をより低くすることが重要だが、それに伴い電源ノイズの許容量も小さくなるため、電源ネットワークを高周波数帯域まで超低インピーダンス化し、電源ノイズの発生を抑制する必要がある。
 この超低インピーダンス化の有力な手立ては、電源ノイズ発生を抑制する働きをするキャパシタをインターポーザーに高密度で実装すること。研究チームはアリーナが保有する0.1mmという狭い間隔で電子部品を実装する技術を用い、今回、キャパシタを従来よりも高密度で内部に実装した部品内臓インターポーザーを開発した。
 部品内臓インターポーザーが幅広く電子機器に用いられるようになると、実装配線の短縮、部品点数の削減、回路の簡略化などの効果により、機器の小型化、省電力化、高機能化、省資源化が期待されるという。

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