自分の運動フォームを簡単にチェック
―タブレット端末用のアプリを開発
:筑波大学/ペンギンシステム

 筑波大学体育系の西嶋尚彦教授とペンギンシステム(株)は11月28日、ゴルフなどの自分のフォームを連続写真で撮影して手本とするフォームの連続写真とその場で比較することができるユニークなタブレット端末用のアプリケーションソフト(応用ソフト)を共同開発したと発表した。この新ソフトの名称は「見ん者(みんじゃ)」。ゴルフ、テニス、野球などあらゆるスポーツ種目に活用できるという。

 

■スポーツ以外の応用も期待

 

 運動の技能を向上させる早道の一つは、自分のフォームを客観的に認識・分析して正しいフォームに近づけていくこと。そのチェックには、ビデオ撮影などが使われてきたが、撮影した映像と手本となる画像との比較をその場ですぐには行えない難点があった。
 一方、国は教育現場への情報通信技術(ICT)の活用を進めており、2020年までに全ての小中学校で一人に1台のタブレット端末を整備する目標を掲げている。このため、すでにタブレット型の端末を用いた電子教科書が普及し始めているが、体育に関しては対応できる教材がほとんどない状況。
 今回のソフトは、小中学校の体育の授業でタブレット端末を使って手本となる動作やフォームと自分の動きとを手軽に比較して技能アップが図れるようにしようと開発したもので、手本のイラストや自分の連続写真を保存できるほか、①手本と自分の連続写真を同一の画面で比較できる、②手本の連続写真と自分の動作の連続写真の任意の動作についての比較が行える―などの特徴を持つ。
 「試作したソフトを実際の体育授業で使ったところ、自分の動作と手本の動作を比較してその違いを明確に把握できた場合は、効率的に運動能力が向上することがわかった」(筑波大)という。
 このソフトは、スポーツ関連だけでなく、「着物の着付け、実験手技の伝承など、今まで分解イラスト図で説明していた分野への応用も期待される」と筑波大はいっている。

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