果肉が桃色の新品種リンゴを開発
:果樹研究所

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「ローズパール」の外観(左)と断面(提供:果樹研究所)

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は1月21日、果肉が桃色になるリンゴの新品種を開発したと発表した。
 その名も「ローズパール」。同研究機構の果樹研究所が開発した。既に品種登録出願済みで、今年の秋から苗木が販売される見込みという。
 リンゴの果肉は、白色か黄白色だが、近年、赤肉品種と呼ばれる赤い色をした品種が流通しだしている。しかし、現在流通している赤色品種には、酸味が強く、肉質が粗いという難点があり、改善が望まれている。
 新品種「ローズパール」は、その難点を改善したもので、酸味が弱く、食感が良いことから生食やサラダはもちろん、色調を活かしてのジュースをはじめとする加工品製造などに幅広く使えるという。
 普通のリンゴは、ブドウなどに含まれる植物系色素(フラボノイド)の「アントシアニン」を含んでいないが、「ローズパール」はアントシアニンを含ませることで果肉を桃色にした。
 このリンゴは、大きく、1個の重さは390g程度になる。果汁の糖度は14~15%、酸度は0.6%程度。加工用の代表的品種の一つ「紅玉」と糖度は同程度だが、「紅玉」の酸度は0.9%程度なので、それよりかなり酸味が弱い。
 果樹研究所は、盛岡市(岩手)にある同研究所のリンゴ研究拠点で「ローズパール」の栽培を行っているが、「紅玉」とほぼ同じ10月中下旬に収穫しているという。

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