
デジタル3D地図のイメージ例:エベレスト(提供:JAXA)
(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月24日、同機構の陸域観測技術衛星「だいち」が地球を周回して宇宙から撮影した地上の画像300万枚あまりを使って、世界最高精度の全世界デジタル3D地図を作るプロジェクトを3月から開始し、2016年3月までに完成させると発表した。
■全自動で3D地図を量産
デジタル3D地図は、水平位置と高さが記録された3次元(3D)の地図。これまでも航空機や人手による調査でデジタル3D地図は作られてきたが、コストと期間の制約から整備されるエリアに限界があった。
「だいち」が打ち上げられたのは、2006年(平成18年)1月24日で、2011年5月に運用を終えたが、それまでの5年4カ月の間、地球を高い精度で観測し続け、撮影した地表の写真は数百万枚に及んでいる。
今回、全世界デジタル3D地図作りを決定したのは、JAXAが取り組んできた世界最高精度のデジタル3D地図を全自動で量産する技術開発にメドがついたことによるもので、1カ月に15万枚程度作成できる見通しがついたとしている。
デジタル3D地図作りは、米国が先行、解像度が30m(30m解像度)のものが広く使われている。
それに対し、JAXAは、「だいち」から撮影した画像の中から雲の少ない約300万枚を使って世界中の陸地の起伏を5mの精度で表した世界初の5m解像度の全世界デジタル3D地図を作る計画という。
JAXAは、作成した全世界デジタル3D地図のデータを「(株)NTTデータを通して有償で一般に提供する」としている。