「糖鎖創薬研究センター」など4ユニットを新設
―ゲノム情報研究やグリーン磁性材料研究センターも
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は4月1日、同日付けで42ある研究ユニットのうちの4研究ユニットを廃止し、新たに4研究ユニットを発足させたと発表した。同研究所は、「より効率的・効果的な研究開発体制を実現するための変更」といっている。新設は、同研究所つくばセンター(茨城・つくば市)に設置の「糖鎖創薬技術研究センター」、同研究所臨海副都心センター(東京・江東区)設置の「ゲノム情報研究センター」、同研究所中部センター(愛知・名古屋市)設置の「グリーン磁性材料研究センター」、同研究所つくばセンター設置の「活断層・火山研究部門」の4研究ユニット。廃止の4研究ユニットは、「新燃料自動車技術研究センター」、「糖鎖医工学研究センター」、「生命情報工学研究センター」、「活断層・地震研究センター」。

 

■“第3のバイオ・ターゲット”に挑む

 

 「糖鎖創薬技術研究センター」は、糖鎖模倣ペプチドと呼ばれる糖鎖に似たペプチドを利用する治療薬や診断薬の開発などに挑む。
 糖鎖模倣ペプチドは、ゲノム、タンパク質に続く“第3のバイオ・ターゲット”ともいわれるが、医療に応用しようというチャレンジはこれからで、「世界に先駆けた試み」と産総研はいっている。
 同研究所は、この新設センター長に、米国のサンフォード・バーナム研究所から糖鎖模倣ペプチド研究で世界をリードしている福田道子氏を招いた。 
 また、「ゲノム情報研究センター」は、ゲノムを利用する機器の進歩に比べ遅れているゲノム情報解析技術の開発を推進する。具体的には、医療現場でゲノム情報利用を妨げる大きな要因の個人情報漏えいへの心配をなくすゲノム情報の秘匿(ひとく)検索技術などを研究する。
 さらに、「グリーン磁性材料研究センター」は、レアアース(希土類元素)を必要としない次世代の高性能磁性材料開発などを、「活断層・火山研究部門」は、地質学に基づく地震・火山・長期地質変動の研究を一元的に推進する。

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