
井邊時雄新理事長(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)
(独)農業・食品産業技術総合研究機構の新理事長に4月1日就任した井邊時雄(いんべ・ときお)氏は同日、「農業を競争力のある魅力的な産業とするための技術開発を行う」と、これからの取り組みを発表した。
井邊氏は、農林省(現農林水産省)出身で、同機構の九州沖縄農業研究センター所長、同機構理事を経ての理事長就任。任期は、平成30年3月末まで。
具体的には、「農業の生産性と安全性を向上させコストの低減になる研究開発、新需要を創出し農と食を結ぶマーケットイン型で農産物の高付加価値化が図れる研究開発を行う」など、次のような取り組みを実施するという。
① 「強み」のある農産物づくりには、新たな品種・技術の開発が不可欠。とりわけ、ゲノム(全遺伝情報)研究の成果を活かした作物育種の加速化が重要で、ゲノム研究を先導する(独)農業生物資源研究所と連携強化を図るため「作物ゲノム育種研究センター」を設立する。
② 消費・実需のニーズにもとづいたマーケットイン型の研究に取り組む「食農ビジネス研究センター」を設立する。
③ 環境保全型農業の研究開発はもとより地球規模の課題まで(独)農業環境技術研究所と連携して検討したい。
④ 東日本大震災からの復興への貢献、とりわけ原発事故に対応した放射能対策に貢献する研究開発は農研機構の重大な使命であると考えている。