筑波大学は8月21日、同大学数理物質系の関口章教授がドイツの「ワッカーシリコーン賞2014」を受賞したと発表した。
「ワッカーシリコーン賞」は、ドイツのミュンヘンに本社を置く世界的な化学会社のワッカー・ケミー社が1987年に設けた有機ケイ素化合物(シリコーン)分野の国際賞。隔年で授与され、米国化学会の「キッピング賞」と並んで有機ケイ素化学分野の最も栄誉ある賞をいわれ、日本人で過去にこの「ワッカーシリコーン賞」を受賞したのは櫻井英樹東北大学名誉教授(1991年)と吉良満夫同大学名誉教授(2005年)の2人で、関口教授が3人目。
関口教授は、1952年の生まれで、一貫して有機ケイ素化学の研究に取り組み、250以上の論文を発表し、20年以上にわたる研究の末、2003年にそれまで不可能と見られていたケイ素とケイ素が三重結合したケイ素-ケイ素三重結合化合物「ジシリン」の合成に成功している。
関口教授は、米国化学会の「キッピング賞」を既に2006年に受けており、有機ケイ素化学分野の2つの大賞を得たことになる。