小惑星探査機「はやぶさ2」を所定の軌道に投入
―往復52億kmの宇宙の旅へ、姿勢制御機能など確認
:宇宙航空研究開発機構/三菱重工業(2014年12月3、4、5日発表)

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寄附で製作・搭載した小型モニタカメラで撮像したサンプリング装置ホーン部(「はやぶさ2」無線局の試験電波データ転送により取得した試験画像)(提供:(独)宇宙航空研究開発機構)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は12月3日、JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から同日午後1時22分、小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機を打ち上げ、同探査機を地球から約3億㎞離れた小惑星「1999JU3」を目指す軌道に投入することに成功したと発表した。6年後の2020年に地球に戻る往復52億kmの「はやぶさ2」の宇宙の旅が始まった。

 

■超小型探査機「プロキオン」も軌道に

 

 JAXAによると「はやぶさ2」は、打ち上げから1時間47分後ロケットから分離され、米国航空宇宙局(NASA)のゴールドストーン局(カリフォルニア州)が日本時間の同日午後3時44分に「はやぶさ2」からの電波を受信し、太陽電池パネルの展開などが正常に行われたことと、所定の軌道に投入されていることが確認されたという。

 JAXAは、その後12月5日、小惑星から石や砂を採取するサンプリング装置のテスト、「はやぶさ2」の3軸姿勢制御機能の確認など一連の重要なチェックが終わり、「今後、探査機搭載機器の初期機能確認を約3カ月かけて実施する」と発表した。

 目指す「1999JU3」は、サトイモに似た形をした直径わずか900mほどの小惑星だが、四十数億年前の太陽系初期の状態をとどめ、生命のもととされる水や有機物があるのではとみられ、「はやぶさ2」はそこから石や砂を採取して6年後地球に持ち帰ることを目指している。

 「はやぶさ2」は、3年半後の2018年夏に小惑星「1999JU3」に到着する予定で、約1年半かけて探査を行う。その後、「衝突装置」を小惑星に打ち込んで人工のクレーターを作り、変質していない小惑星内部の石や砂を露出させ、それを採取してカプセルに収め、2020年末の地球帰還時にそのカプセルを「はやぶさ2」本体から切り離し、オーストラリアの砂漠に落下させてカプセル内の石や砂を回収する計画。

 今回のH-IIAロケット26号機には、相乗りの小型衛星も搭載されており、JAXAの4日の発表によると、このうちの東京大学とJAXAが共同開発した超小型宇宙探査機「プロキオン」も打上げから7時間半後、所定の軌道に投入されていることを確認したという。

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