(独)国立環境研究所と環境省は12月4日、2013年度のわが国の温室効果ガス排出量の速報値を発表した。総排出量は二酸化炭素(CO2)換算13億9500万tで、過去最大だった。
■火力発電増え、化石燃料の消費量増加が主因
排出量の増加は4年連続で、前年度比では1.6%(2200万t)の増。原子力発電に代わり火力発電が増え、化石燃料の消費量が増加したことが主な要因としている。
排出量がこれまでで最大だったのは2007年で、13億9400万t。その後景気低迷のもとで08年、09年と減少し、10年から増加に転じていた。
日本政府は第19回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP19)で、2020年までに2005年比3.8%削減を暫定目標として打ち出しているが、この05年比では1.3%増。また、京都議定書の基準年である1990年度比では10.6%の大幅増であった。
部門別では、全体の35%強を占める産業部門が前年度比3.0%増で、鉄鋼や化学など製造業からの排出量増加が主な要因。全体の23%を占める商業・サービス・事業所等の業務その他部門も同3.2%増で、要因は石油製品や電力消費の増加という。
運輸部門は1.8%減で、車からの排出量が減少した。家庭部門は0.4%減、発電所などのエネルギー転換部門は0.2%増とほぼ横ばいだった。
温室効果ガスの種類別では、全体の94%弱を占める二酸化炭素(CO2)が1.5%増、全体の2.8%を占める代替フロン等4ガスが7.8%増で、メタン、一酸化二窒素はいずれも若干の減だった。
代替フロン等4ガスのうちでは、冷媒に用いられているハイドロフルオロカーボン類の増加が大きく、10.3%の増。ガイドラインの改定により今回から新たに温室効果ガスとして追加された三フッ化窒素は8.4%増だった。
確報値は2015年4月に公表の予定という。