(国)土木研究所は7月30日、(国)産業技術総合研究所、月島機械(株)、三機工業(株)と共同開発した下水汚泥の焼却炉「過給式流動燃焼システム」が第17回国土技術開発賞(国土技術研究センター、沿岸技術研究センター主催)の「最優秀賞」を受賞したと発表した。
下水汚泥は、高温の砂を沸き立たせ(流動させ)、その中に汚泥を投入して焼却する流動床炉で一般に処理されている。受賞した新システムは、その流動床炉に過給機を組み合わせたほか排ガスのエネルギーを利用するなどして、温室効果が炭酸ガス(CO₂)の310倍といわれる一酸化二窒素(N₂O)の発生を大幅に低減することに成功するとともに消費電力の削減を実現、それが高く評価された。
N₂Oの発生は、燃焼温度を高くすると少なくなるが、新システムは過給機による加圧燃焼で炉の下部にも高温領域が生成されるようにした。
既にこのシステムを使っている神奈川県内の下水処理場では、N₂Oの排出量を従来装置より61%、消費電力を53%削減しているという。