花弁が50~60枚の遺伝子組み換えシクラメン、隔離圃場試験へ
:筑波大学(2015年9月14日発表)

 筑波大学は9月14日、花弁(花びら)が50〜60枚も重なって咲く遺伝子組み換えシクラメンの育種で隔離圃場(ほじょう)試験の承認を農林水産大臣と環境大臣に申請したと発表した。

 近年、遺伝子組み換えや遺伝子情報を利用した分子育種と呼ばれる花の品種改良(育種)が進み、青いカーネーションや青いバラが既に市販されているが、そうした花色に続いて注目されているのが分子育種による花形(花の形)の改変。

 シクラメンの花弁は、5枚だが、筑波大はシクラメンの雌ずい(しずい:めしべ)形成に関わる遺伝子の働きを止めて雌ずいも花弁にして、50〜60枚もの花弁が重なって咲く八重化に成功、同大学遺伝子実験センター(茨城・つくば市)の隔離圃場で次のステップの栽培試験を行うことにした。

 栽培試験は、「雌ずい花弁化八重咲き遺伝子組み換えシクラメンの隔離ほ場試験」で行う。周囲を高さ2.3mのフェンスと深さ63cmのコンクリート壁で囲った屋外の「模擬的環境試験ほ場」と呼ぶ隔離圃場を使って行う。

 栽培は、両大臣の承認を得た後、今年の12月から開始し2018年3月まで続ける予定。筑波大によると、花色の改変は実用化されているが、花形の改変については、これが世界初の例となる可能性があるという。

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