大噴火おこした口永良部島全島を無人機で空撮
:国土地理院(2015年10月16日発表)

 国土交通省の国土地理院は、今年5月大噴火をおこした口永良部島(くちのえらぶじま:鹿児島)の全島を無人航空機(UAV)で撮影し、10月16日にその写真を公開した。

 同島は、屋久島(同)の西約12kmに位置する面積38km2、海岸線長さがおよそ50kmの火山島で、2000年の国勢調査時点の人口は137人。大噴火は、5月29日に島の中央部の標高626mの「新岳(しんだけ)」で発生、9000mを超える高さまで噴煙が上がった。

 今回の空撮は、得られた空中写真の判読から島の現況を把握しようと9月8日から12日まで3日間にわたってUAVを同島の北約35kmの硫黄島から飛ばして行われた。大噴火後の全島撮影は、これが初めてで、高度約1,500mから全島を撮ることに成功、撮影枚数は同1万700枚に達した。

 写真判読の結果、火砕流や熱風で新岳の山麓の樹木が焼けたりなぎ倒されたりし、火砕流の堆積域は山頂部を中心に広範囲に及び、周回道路が噴火後の雨による泥流や崩壊で寸断されていることなどが分かったとしている。

 今回撮影した空中写真は、国土地理院のウェブサイト「地理院地図」で公開しており、URLはhttp://www.gsi.go.jp/BOUSAI/h27-kuchinoerabu-index.html

詳しくはこちら

図

UAVで高度約1,500mから撮った口永良部島の大噴火後初の全島写真(提供:国土地理院)