公募した「きぼう」での宇宙実験テーマに12件を選定
:宇宙航空研究開発機構(2015年12月22日発表)

 (国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月22日、公募した国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で行う実験テーマの選考結果を発表した。

 今回募集したのは、国の宇宙開発戦略に沿った研究を対象とする「国の戦略的研究募集区分」と、自由な発想による独創的・先導的な研究を対象とする「一般募集区分」。

 国の戦略的研究募集区分には、9件、一般募集区分には54件、の応募があって、その中から12件が「きぼう」での実験テーマに選定された。

選ばれた12件の実験テーマ名と提案者は、次の通り。

◇国の戦略的研究募集区分(3件)

▽「『きぼう』を利用した骨粗しょう症に係わるタンパク質の臨床プロテオーム研究」(横浜市立大学・平野久特任教授)▽「新規な質量分析イメージングによる筋・骨格系疾患の発症機構解明」(東京農工大学・宮浦千里教授)▽「微小重力環境を活用した臓器創出を目指す三次元培養技術の開発」(横浜市立大学・谷口英樹教授)

◇一般募集区分(9件)

▽「神経性疾患の発症機構解明に向けた微小重力環境下でのアミロイド線維形成と性状評価」(自然科学研究機構・加藤晃一教授)▽「ゼブラフィッシュを用いた宇宙滞在感受性遺伝子の同定とその感知機構の解明」(京都大学・瀬原淳子教授)▽「宇宙におけるコケ植物の環境応答と宇宙利用」(北海道大学・藤田知道准教授)▽「宇宙空間におけるミドリムシによる物質循環サイクルの実現可能性検証」(九州大学・星野友准教授)▽「重力刺激による脊髄背側血管への血管ゲート形成と分子発現の解析」(北海道大学・村上正晃教授)▽「宇宙ストレスにおける環境応答型転写因子Nrf2の役割」(東北大学・山本雅之教授)▽「長期宇宙滞在により引き起こされる耳石前庭機能の評価」(岐阜大学・森田啓之教授)▽「タンパク質結晶の完全性を左右する不純物の結晶への分配係数と結晶成長機構との関係」(徳島大学・鈴木良尚准教授)▽「微小重力を用いた多成分会合コロイド系の相挙動の研究」(名古屋市立大学・山中淳平教授)

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